【子供を褒めるのは注意して!】10分で解説!「92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て」

「本を読むのが苦手」「本を読む時間がない」という
忙しいママさんに短時間で有益な本をご紹介する
子供とママにプラスワンの時間です!

アニメーション動画でご覧になりたい方はこちらをご覧ください^^

さぁ今回、私ナカノが勉強させて頂き
解説させて頂く本は
大川 繁子さんが書かれた
「92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て」です

この本を書かれた大川繁子さんがまず、凄い人なんです
まずそもそも、タイトル通り92歳で現役保育士というだけで
もう既に私の中の92歳のイメージを軽く
超えてしまっているのですが
今でも常に勉強を続けておられ
そんな大川さんが運営されている
栃木県の足利市にある小俣幼児生活団という
0〜5歳の子供を預かる認可保育園が
全国の保育関係者が絶えず見学に訪れているのです

なぜそんなに保育のプロの方々が訪れるのかというと
・給食はバイキング形式
・園児に命令はしない
・お昼寝は強要しない
・1日の中で何をするのも自由
・保護者からのクレーム20年間ゼロ
・保育士の離職率が極めて低い

などゴリゴリの普通の教育で育ってきた私からすれば
「園内崩壊するんじゃないですか?」
「小学校に入ったときに子供が苦労しそう・・・」
などと考えてしまうのですが
ところがどっこい
しっかりと園内で子供と一緒にルールを決めたり
子供の人格をしっかり尊重した考え方により
これまで2800人以上の卒園児たちを見送り
見学に訪れた教育関係者からは
「奇跡の保育園」と称される場所なのです

大川さんが保育において大切にされていることが3つあります

1 モンテッソーリ教育を取り入れた「育て方」
2 アドラーの心理学の考え方を取り入れた「接し方」
3 保育の神様と呼ばれている前田保太郎先生から学んだ「発達の三角形」

 

モンテッソーリ教育などについては他の動画でも解説している部分と
重なるところも多いので
今回はこの中でも私が特に共感した
2のアドラーの心理学を取り入れた
親子の「接し方」について解説していきたいと思います

アドラーの心理学とは

アドラーの心理学といえば
大ヒット書籍の「嫌われる勇気」という本をご存知の方も多いのではないでしょうか
今でもiBooksのランキング上位に入り続けている
モンスター書籍なのですが
実は私もこの本が出たばかりの時に読んで
人生が変わったまで言うと大袈裟ですが
それまでの価値観が大きく変わる感じがしたことを覚えています

アドラーといえば
「全ての悩みは対人関係の悩みである」という言葉が有名で
突き詰めていけば悩みは全て人間関係に起因するという考え方であり
例えば「昔に酷いイジメにあったことがあり、そのせいで社会に出ても上手くやっていけない」
という考え方はフロイトという方が提唱した「原因論」であり
アドラーは「社会に出て他者と関係性を築きたくないから過去のイジメにあったという体験を持ち出す」
という「目的論」を提唱されました。
つまり、人間は「原因」があって行動するのではなく
「目的」に沿って今を生きているという考え方なのです

これを例えると
上司や親が部下や子供に注意をする時に大きな声を出して怒鳴って伝えるというのは
その何処かに相手を威圧したいという目的があるのです
その人が間違いを起こして
今後そのようなことが起こらないようにすることが目的であれば
怒鳴る必要なんてありませんよね
怒鳴ったり大きな声を出してしまう人は
「原因論」で言えば、一見、相手が間違えたことが原因で怒鳴っているように思いますが
実は「目的論」で言うと、相手を威圧したり、自分との立場の違いを明確に解らせたいなどの
目的があるから怒鳴るのです

こういったアドラーの考え方を著者である大川さんの保育園では
子供の教育に上手く取り入れているところが私は驚きました

子供にも人格がある

大川さんの小俣幼児生活団では
子供に命令したり何かを強要することはなく
大人と子供を対等な存在として扱うことを大切にされています

アドラーの心理学の中には子供にも人格があり
ただ、体が小さく、経験がない、知識がない
できないことが多いだけであり
決して大人と比べて劣っているわけではないという考え方です
1人の人間として対等に接するということを
大川さんのところでは大切にされています

では具体的にはどのように接するのでしょうか
いくつかご紹介していきます

子供の行動には目的がある

アドラーの話の中でも出てきたように
人は目的があるので行動します
それは子供も同じで
2人目の子供が生まれると上の子供が不安定になる
「赤ちゃんがえり」なんて言われたりすることもありますが
今まで自分に向き合ってくれていた
お母さんが赤ちゃんに付きっきりになれば
上の子が不安になるのは当然ですよね

今までちゃんとご飯を食べれていたのに
立ち上がって食べたり
こぼしたり、残したり・・・

その他にも着替えやお片付けなど
様々なところで「問題行動」がおこったりします

当然、この行動の目的は
問題行動を起こすとお母さんが
「コラっ」と自分に意識を向けて注目してくれるからです

大川さんはこの時に大切なことがあるとおっしゃっています
それは、子供のはちゃめちゃに見える行動にも
ワガママに見える行動にも
全てには目的があり
とくに問題行動と言われる行動には必ず目的がある
なので叱る前に私たち親が
何のためにその行動をとっているのかを探り、考えることが重要であり

その目的が分かったら、それを「他の方法」で満たしてあげるのです

その他の方法とは普段の良い行動に目を向け
その行動に対して感謝や「お母さん、お父さんは見ているよ」というメッセージを伝えるのです
「いやいや、うちの子はもう今はもう最強に悪いことばっかで悪魔モードなんですよ」
なんて思う方もいらっしゃるかもしれません
しかし、「普段の良い行動」とは特別なことではなく
当たり前にできていることでいいのです

例えを私がお父さんなのでお父さん風に言うと
息子がご飯を食べた時に
「おお〜〇〇がご飯いっぱい食べてるところ見れてお父さん嬉しいわ〜」とか
幼稚園の制服に着替えた時でも
「今日も着替え早いな〜、服のチョイスも最高やな」
などと下手でもいいので
しっかり「見ているよ」ということを伝えてあげる
そして、ちょっと手が空いた時に
抱いてあげて「大好きだよ」とちゃんと伝えてあげれば
大川さんは「注目を集めたいという目的」なんて
すぐに消えてしまうんですよと書かれています

「待ってね」といったら必ず約束を守る

この項目に関しては本当自分は反省しきりの内容でした・・・
それは自分が家で仕事をしている時や
何か用事をしている時に子供が
「あそぼ〜」と言ってきたりする時
とにかくその時の自分の用事を妨げられたくないので
「う〜ん、後でな〜」と適当に流していたのですが
実際に仕事が終わった時にはその時の「後で」と
子供に伝えたことを忘れてしまっていたなんて事が多々ありました

例えば、下の子どもを抱っこしている時に
上の子供が「お母さん、抱っこして〜」といってきた時に
「今、弟抱っこしてるから無理だから後でね〜」と言ったら
必ず、この約束は守るべきなのです

大人同士で「ちょっと待って」「後で」と言ったら
それは「今の用事が終わったら後でそれをしますね」という約束になりますよね
この約束を守らず、子供にとって
親の「後で」や「待って」が守られないのが当たり前になると
もはや期待を裏切られた記憶となってしまうそうです

アドラーの「大人と子供は対等な関係」という言葉の通り
相手が子供だからといって
約束が保護にしても許されるなんてことはないのです

著書の中にはこのような事が書かれています

できることは、できるだけしてあげる
でも、子供の奴隷になる必要はない
できないことは、理由をしっかり話す
そして、約束したなら絶対に守りきる

これは一見当たり前のように感じることですが
日々、いろいろな予想外なファンタスティックなことばかり
言ったり、したりするような子供についつい
親が甘えてしまっていることがあったな〜
と私個人としてはとても感じるものがあった部分でした

「褒める教育」は間違い!?

アドラーの心理学を元に書かれた「嫌われる勇気」の中で
「人は承認欲求の奴隷になるとずっと幸せになれない」と書かれています
つまり、「人に認められたい」「褒められたい」という人からの承認が
目的になってしまうと物事の良し悪しが他人がどう思うかが
基準となり、ある意味「不自由」な人生を送ることになってしまいます

私としては人間はそもそも群れをなして
集団で繁栄してきた生き物なので
集団が活動していく中江承認欲求が生まれるのは
必然であり、完全になくすことは難しいと考えています

何より私自身が人に褒められるのが大好きで
承認欲求の塊のような人間というのもあります(笑)

しかしながら、承認欲求に依存してしまうようになるのはよくないと思います
これは子供の教育でも同じで
巷では怒鳴ったり怒ったりする子育ての対局として
「褒める教育」というスタンスが一般的になりつつあるので
子供を「褒める」というのは皆さんも大切にされているのではないでしょうか

しかし、本書ではこの子供を褒める時に私たちが無意識に使ってしまっている
「すごいね!」「良い子だね」という言葉は気をつけた方が良いと書かれています
なぜならこの言葉は上の人間が下の人間を評価している言葉だからです

とはいえ、私は子供を褒めたら喜んでくれるし
次からもそれを喜んで同じようにしてくれるようになるので
決して悪いことではないかと感じていましたが
実はこの子供を褒めるという行為には
大きな落とし穴があると大川さんは語られています
それは「褒められる事が行動の目的になってしまう」という事です

この褒められる事が目的になってしまった子は
廊下にゴミが落ちていても
誰か(褒めてくれる人が)が見ているか、見ていないかで
拾うか拾わないかを判断してしまうようになります

将来の人生の選択も自分がやりたいことよりも
周りが褒められる事を優先して
仕事や進路を決めてしまうかもしれません

つまり他人の評価ばかりを気にしてしまう人間になってしまう可能性があるのです
これでは主体的な人生を送る事が難しくなりますね

では褒めるのではなく子供が行ったことに対して
どのように伝えれば良いのでしょうか
それは「感謝」や気持ちを伝えることだと大川さんはおっしゃっています

何かをしてくれた時には
「〇〇ちゃん、ありがとう。お母さんは嬉しいよ」

逆に何かいけないことをした時にも
「こういうことをすると、物がもったいないし、悲しい気持ちになるよ」
というふうに
「何でこんなことするの!ダメな子ね!」と評価したりはしないのです

これを聞いて私も実践していますがが
やってみると単純に「褒める」よりも
遥かに難しいことがわかります

しかし、こういった接し方により
他者に褒められる事が目的になるのではなく
「人が喜んでくれたり、誰がの為になるって嬉しいな」という
人に貢献する感覚を子供が感じる事ができるのです

アドラーの言葉で
「他者に貢献することこそ幸せ」という言葉があるように
子供の頃からこのような感覚を持っていると
大人になり、社会に出た時に損得抜きに
まずは相手に自分から貢献できる人になると
自ずと周囲に人が集まり、集団、社会の中に
自分の居場所が確立され
幸せな人生を送れるのではないかと思います

最後に最も大切な環境とは・・・

いかがだったでしょうか

その他にも本書の中では
モンテッソーリ教育を取り入れた教育法や
発達の三角形を取り入れた子育て法も非常に面白い内容で
読みだすと一気に最後まで読み終えてしまう本です
そして、文面から伝わってくる大川さんの優しい言葉が
読んでいるお母さんたちを優しく励ましてくれているように感じました

そして、本書の後半の
大川さん流の「子育てのコツ」を質問に答えていく形の部分は
子育てで悩んでいるお母さんたちの痒いところに手が届くような内容ですので
是非ご覧になっていただきたいと思います

というわけで今回は大川 繁子さんが書かれた
「92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て」の中でも
私が特に勉強になった子供との接し方について解説しました

それではまた!